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コラム

海外で育つ子にこそ必要な「ロジカルシンキング・論理的思考」の育て方

2025年7月24日

読書とディベートで育てる「ロジカルシンキング」:海外で育つ子に必要な言語的思考力

  海外に暮らす子どもたちは、英語や現地語といった多言語環境に適応しながら生活しています。しかし、そのような環境においても「日本語で論理的に考え、表現する力」――すなわちロジカルシンキングを育てることは、思考力全体の発達において非常に重要です。 なぜ今、「日本語でのロジカルシンキング」が必要なのか 母語で思考する力は、他言語への応用にもつながる“認知の土台”です。海外では、英語やオランダ語などの現地語の能力ばかりが注目されがちですが、日本語で論理的に考える力を育てることは、子どもの思考をより深く、広く支えるうえで欠かせません。 Sakura国語のワークショップのアプローチ Sakura国語のワークショップでは、子どもたちのロジカルシンキングを育てるために、2つの柱を設けています。 読書を通した国語力クラス:語彙力・読解力を高めるインプットの場 ディベートクラス:論理的に意見を組み立て、発信するアウトプットの場 この「インプット→アウトプット」のサイクルにより、単に知識を蓄えるだけではなく、それを思考に転換し、自分の言葉で伝える力へと昇華していきます。 読書で育つロジカルな読解力 読解力は、文章を読むスピードやテストの正答率だけでは測れません。重要なのは、「誰が・何を・なぜ・どうしたのか」という構造を理解し、因果関係を捉える力。Sakuraの読書クラスでは、物語や説明文を通じてこのような論理的読解を日常的にトレーニングしています。 ディベートで磨く論理表現力 語彙や読解力をもとに、ディベートクラスではPREP法(主張→理由→具体例→再主張)を軸にした論述トレーニングを実施。さらに、 接続詞を用いた論理のつなぎ方 主観と客観の切り分け 具体と抽象の往復思考 など、実践的なロジカルスキルを強化します。こうした訓練は、将来的なプレゼンテーション、エッセイ、さらにはビジネススキルの土台ともなります。 ロジカルシンキングはすべての学びの根幹 算数の文章題も、理科の観察記録も、社会の因果比較も、すべては読解力とロジックの上に成り立っています。だからこそ、国語の枠を超えて、すべての学びに影響を与える「読む→考える→伝える」の一貫したスキルが重要なのです。 未来につながる言葉の力を 私たちは「読む力」を磨き、「考える力」を育み、「伝える力」へとつなげていきます。 海外にいても、日本語を通してロジカルシンキングを身につけることは可能です。 Sakura国語のワークショップは、その実践の場として、子どもたち一人ひとりの思考の成長を支えています。  

読書を通して“バイリンガル”を育てる

2025年7月20日

バイリンガルを育てる読書の力:日本語の読解が与える多言語発達への影響

    バイリンガルに育つということは、単に二つの言語を「話せる」ようになることではありません。言語の運用能力には、語彙や文法の知識だけでなく、情報を整理し、理解し、考えを構築する思考力が深く関わっています。とりわけ、母語である日本語での深い読解力や表現力は、バイリンガルの基礎として非常に重要です。 海外に住む子どもたちは“自然に”バイリンガルになるのか? 多くの保護者が抱くのは、「現地語も日本語も使っているから、自然とバイリンガルになるだろう」という期待です。しかし実際には、母語である日本語の語彙や文法が十分に育っていない状態で現地語の教育を受けることで、どちらの言語も“浅く広く”なってしまうケースが少なくありません。これを防ぐには、一つの言語で深く考える経験が欠かせません。 読書が育てる「思考と言語の橋渡し」 言語学においては、語彙の獲得や論理的表現の習得には「読む」経験が大きく関わることが知られています。特に、物語文や説明文を通して登場人物の心情を読み取ったり、因果関係を整理したりする読解は、思考の筋道をつける訓練そのものです。こうした日本語での読書経験は、英語や現地語といった他の言語における理解力にも好影響を与えると、多くの研究が示しています。 語彙の“質”がことばの発達を左右する バイリンガル教育の現場では、子どもがどのような語彙をどれだけ蓄えているかが、その言語でどれだけ深く考えられるかを左右します。日常会話レベルの言葉(BICS)だけでなく、学校の学習に必要な認知的・学術的言語能力(CALP)を育てるには、意識的な語彙のインプットが不可欠です。そのためにも、日本語での読書は非常に有効です。 バイリンガル教育における日本語の役割 母語がしっかりしていれば、第二言語、第三言語への移行もスムーズになる。これは言語習得に関する基本原則の一つです。日本語の文章を読む中で、文の構造や論理展開に触れることは、他言語のリーディングにも通じる普遍的な思考力を育てます。言い換えれば、日本語での深い読書体験が、真のバイリンガルを育てる足場となるのです。 家庭と教室で支える「読む習慣」 海外に住む日本人家庭において、日本語での読書環境を整えるのは簡単ではありません。だからこそ、Sakura国語のワークショップでは、教室での読書指導と家庭での継続読書を組み合わせることで、お子さまの“読む力”を継続的に支えています。 読書から始める、本質的なバイリンガル教育 「読む→考える→伝える」このプロセスの根幹には、読解力があります。そして、それを育てるもっとも自然で効果的な手段が「読書」です。海外で育つからこそ、日本語という軸足をしっかりと持ち、多言語に展開していく子どもたちを支援すること。Sakura国語のワークショップは、本質的なバイリンガル教育の場として、子どもたちの未来に貢献していきます。  

読書を通して、日本語力・国語力を伸ばす

2025年7月18日

読書嫌いだった子が、わずか半年で学年超えの国語力に

「本を読むのが好きじゃない」――そう語っていたお子さまが、半年後には1学年上の読解力を身につけ、楽しそうに本の感想を話すようになりました。Sakura国語のワークショップで出会った一人の変化は、読書を通して子どもたちが持つ可能性がいかに広がるかを私たちに教えてくれました。 読書指数診断で見えた「読みの弱さ」 2024年秋、そのお子さまは「読書指数診断」に初めて挑戦しました。診断結果は、語彙力・読解力ともに学年平均をやや下回るスコア。補習校には通っておらず、インター校での生活が中心という背景から、日本語力に不安を感じていたご家庭の決断でした。 お母さまは、「日本語の本は読ませたいけれど、何から始めてよいかわからなかった」と話されていました。 変化のきっかけは「読み方」そのもの お子さまが変わり始めたのは、「ただ読む」ではなく「どう読むか」を学んだときからです。Sakura国語のワークショップでは、以下のような“読書技術”を自然に身につけていきます: 登場人物を読み分け、感情や関係を整理する 物語の場面転換や伏線に気づく 言葉の裏にある意図や心の動きを想像する 難しすぎず、でも考える力が育つちょうどよい本を選ぶことも大切。指導と選書が連動することで、お子さまは“読む”ことへの抵抗感を自然と手放していきました。 「読むのが楽しい!」その気持ちが習慣を変えた 数カ月後、「最近、家でも自分から本を開いています」と保護者の方からうれしいご報告が届きました。読み聞かせを卒業し、読書が宿題でもなく、義務でもなく、本人が楽しんで選ぶ行動になったのです。 「この本、おもしろかった!」「続きが気になる!」といった言葉とともに、自然に語彙も増え、読解力も深まっていきました。 1学年上の平均を超えた、春の診断結果 2025年春、再び実施された読書指数診断の結果は、驚くべきものでした。わずか半年で、読解力・語彙力ともに1学年上の平均値を超えるまでに成長。しかもその成長は、特別な暗記学習や詰め込みではなく、「正しいレベルの本」「正しい読み方」「継続する習慣」の3つによるものでした。 海外でも、読書習慣は育てられる このお子さまの変化は、単なるひとつの成功例ではありません。補習校に通わず、日本語環境が限られる中でも、適切な方法を用いれば国語力は十分に伸びることを証明してくれました。 「何を読ませたらよいかわからない」「ちゃんと読めているのか不安」という保護者の方にこそ、まずはお子さまの現在地を可視化する「読書指数診断」、そして正しい読み方の指導を通じて、未来を見据えた読書習慣をスタートしていただきたいと願っています。 「読む力」が未来を変える 読書力は、単に国語の点数を上げるだけではありません。読書は、相手の気持ちを想像する力、物事を筋道立てて考える力、自分の言葉で世界を理解し語る力を育てます。 海外に住んでいても、日本語を通じてそれらの力を育むことは可能です。Sakura国語のワークショップでは、読書指数診断と一人ひとりに合った学習プランを通じて、「読書を通じた国語力アップ」へと導いています。 まずはお子さまの読書力を見える化する「読書指数診断」から始めてみませんか?  

読書指数診断から見えた、海外子女の国語力の実態。手遅れになる前に国語力を伸ばす。

2025年7月16日

読書指数診断から見えた、海外子女の国語力の実態

日本語力の「今」を、数値で可視化 Sakura国語のワークショップでは、2024年秋と2025年春の2回にわたって「読書指数診断®」を実施しました。この診断は、語彙力・読書スピード・理解力を数値化し、お子さまにとって適切な本のレベルや、今後の伸びしろを明らかにするものです。 2回の実施を通じて見えてきたのは、読書習慣の効果だけでなく、**「日本語環境の限られた海外で生じる、国語力の停滞」**というリアルな課題でした。 移住年齢で止まる国語力 もっとも印象的だったのは、「日本を出た年齢で国語力が止まっている」というケースの多さです。たとえば小学校3年生の時点で海外へ移住したお子さまが、その後も小3水準の語彙や読解力にとどまっている――そんな例が少なくありませんでした。 補習校に通っている場合でも、国語力の大幅な伸びは見られにくいというのが実情です。これは、日々複数コマの国語の授業を受ける日本の小学生と比べ、週1回の補習校では、触れる語数や文脈の量が圧倒的に少ないことが一因です。 補習校だけでは届かない“読む力” 補習校は、基礎的な読み書きや語彙の習得には大変有効な学びの場です。しかし、文章から登場人物の気持ちを読み取る、行間を推測するといった“考える力”を育てるには、十分な読書量と対話が必要です。 現地校やインター校での学びが中心となるお子さまたちには、補習校だけでは届かない“読む力”を、日常の中でどう補っていくかが鍵になります。 学年=国語力 ではない 読書指数診断®の結果からも明らかになったのは、お子さまの学年と国語力が一致していないケースの多さです。特に海外在住のお子さまは、実年齢よりも2〜3学年分程度、国語力が低いという結果が出ることもあります。 これは決してお子さまの能力の問題ではなく、「触れている日本語の量と質が足りていない」ことが要因です。 まずは「見える化」から 「日本語で会話しているから大丈夫」「補習校に通っているから安心」――そう思っていても、実際には語彙が足りず、文章を深く理解する力が育っていないことは珍しくありません。 Sakura国語のワークショップでは、まずはお子さまの現在地を客観的に把握することが、日本語力を育てる第一歩だと考えています。そのためのツールが、「読書指数診断®」です。 海外でも、確かな国語力を育てるために お子さまの言葉の成長を止めないために。読書指数診断®は、保護者の方とともに“これから”を考えるための出発点です。 お子さまの日本語力について少しでも気になることがあれば、まずは一度、診断を受けてみてください。

海外在住の子どもたちにとって、日本語維持のカギは「正しい読書」

2025年7月15日

海外でも、日本語力をしっかり育てるために― カギとなるのは「正しい読書」 ―

海外では失われやすい「日本語のシャワー」 海外で暮らす子どもたちは、日常的に日本語に触れる機会が極端に限られています。現地校では授業がすべて現地語で行われ、日本では自然に耳にする看板やアナウンス、友だちとの雑談など、日本語があふれる「言語環境=日本語のシャワー」が海外には存在しません。 その結果、語彙の習得や日本語による思考の機会が得られにくくなってしまうのです。 補習校だけでは補えない理由 多くのご家庭では、日本語力の維持のために補習校に通わせています。補習校は基礎的な読み書きを学ぶ場として非常に重要ですが、週1回の通学では日本国内の学習量と比べて圧倒的に不足しています。 また、補習校では暗記や知識の定着に重点が置かれる傾向があり、「文章を読み、考え、表現する」ための力を育てるには不十分なケースも少なくありません。 限られた時間だからこそ、「密度の高い学び」を 日本語環境が限られているからこそ、短時間でも効果的な学びが必要です。なかでも、「正しい方法による読書」は、語彙力・読解力・表現力を同時に伸ばせる、最も効率的なアプローチです。 ただし、読書といっても「ただ本を読む」だけでは十分ではありません。文字を追うだけで内容を理解できていない、心情や場面の変化が読み取れていないといった読み方では、読書の本来の効果は得られません。 読書の質を高める「読書指数診断®」 Sakura国語のワークショップでは、お子さま一人ひとりの語彙量や読書スピードを数値化する「読書指数診断®」を実施しています。この診断により、今のレベルにぴったり合った本を選ぶことができ、無理なく語彙を増やしながら文章構造や表現力の感覚も身につけていきます。 さらに、ただ読むだけでなく、「物語の展開を追いながら登場人物の心情を読み解く」といった精読力も育成していきます。 「教室+家庭」で育てる確かな日本語力 教室で正しい読み方を身につけ、その後に家庭で読書を習慣化する――このサイクルが、お子さまの日本語力をしっかりと支えていきます。 読書が習慣になれば、それは思考力・表現力の土台として、一生の武器になります。海外という環境だからこそ、意識して「質の高い日本語のインプット」を続けることが必要です。 正しい読書が、お子さまの未来をつくります 「どんな本を、どう読んでいるか」が、お子さまの言語力と学力に大きく影響します。海外にいる今だからこそ、正しい本を、正しい方法で読む――それが、日本語力を育み、思考する力を支える“未来への投資”になります。

本を読んでいるだけでは読書力にはつながらない。効果的な国語力の向上方法は。

2025年7月1日

本を読んでいるのに国語力が伸びない?― 読書=学力向上とは限らない理由 ―

「本好き=国語が得意」ではない現実 「うちの子は本が好きだから、日本語は大丈夫」そんな声を保護者の方からよく伺います。確かに、読書は語彙力や表現力を高める上でとても有効です。ですが、「読んでいる」=「理解できている」とは限りません。 実際、Sakura国語のワークショップが実施した読書指数診断®では、日常的に本を読んでいるにもかかわらず、読解力が伸び悩んでいるお子さまが一定数見られました。そこには、“読書の質”という重要な課題が潜んでいます。 「文字を追う読書」と「意味を読む読書」 読書指数診断®で読解力が伸びていないお子さまに共通していたのは、以下のような読み方です: 登場人物の関係がわからない 情景がイメージできていない 主人公の気持ちを読み取れていない つまり、「文字を目で追っているだけ」で、物語の意味や背景を理解する力が育っていないのです。こうした“表面的な読書”では、語彙は増えても思考力や文脈理解力は鍛えられません。 マンガが育てる語彙力、でも… マンガを多く読むお子さまには、会話表現や擬音語を含む語彙の豊富さが見られました。語彙テストの結果も高い傾向があります。 しかしその一方で、文脈や構造を読み解く力が相対的に弱いという傾向も。吹き出しや絵の助けを借りて理解できるマンガと違い、文字だけで構成された文章では苦手意識が出てしまうのです。 マンガ自体は良い読書体験ですが、それだけでは足りません。「読解力を鍛える読書」が、バランスの取れた言語力育成には不可欠です。 読書の目的は「語彙量」ではなく「理解力」 子どもが本を読んでいる姿を見ると、つい安心してしまいがちです。ですが、 「内容を理解しているか?」 「登場人物の気持ちを想像できているか?」 といった視点から見守ることが大切です。 読書の本質は、語彙の暗記ではなく、“言葉を通して考える力”を育てること。この目的を見失うと、読書量のわりに学力の伸びが感じられない…という結果になりがちです。 正しい読み方を知れば、読書は最強の学習ツールに Sakura国語のワークショップでは、「何を読むか」と同じくらい「どう読むか」を大切にしています。 登場人物の視点を整理する力 場面の変化を読み取る力 行間を読む力 こうした“深く読む力”を育てながら、読書を楽しく習慣化することで、海外でも日本語力は確実に伸ばすことができます。 「読む力」を育てたい方へ 本を読んでいるのに、なぜか国語の成績が伸びない。そんな悩みの背景には、「読書の質」の問題が隠れているかもしれません。 まずは、お子さまの読書力を客観的に見直してみませんか?