読書指数診断から見えた、海外子女の国語力の実態
July 16, 2025

目次
日本語力の「今」を、数値で可視化
Sakura国語のワークショップでは、2024年秋と2025年春の2回にわたって「読書指数診断®」を実施しました。
この診断は、語彙力・読書スピード・理解力を数値化し、お子さまにとって適切な本のレベルや、今後の伸びしろを明らかにするものです。
2回の実施を通じて見えてきたのは、読書習慣の効果だけでなく、**「日本語環境の限られた海外で生じる、国語力の停滞」**というリアルな課題でした。
移住年齢で止まる国語力
もっとも印象的だったのは、「日本を出た年齢で国語力が止まっている」というケースの多さです。
たとえば小学校3年生の時点で海外へ移住したお子さまが、その後も小3水準の語彙や読解力にとどまっている――そんな例が少なくありませんでした。
補習校に通っている場合でも、国語力の大幅な伸びは見られにくいというのが実情です。
これは、日々複数コマの国語の授業を受ける日本の小学生と比べ、週1回の補習校では、触れる語数や文脈の量が圧倒的に少ないことが一因です。
補習校だけでは届かない“読む力”
補習校は、基礎的な読み書きや語彙の習得には大変有効な学びの場です。
しかし、文章から登場人物の気持ちを読み取る、行間を推測するといった“考える力”を育てるには、十分な読書量と対話が必要です。
現地校やインター校での学びが中心となるお子さまたちには、補習校だけでは届かない“読む力”を、日常の中でどう補っていくかが鍵になります。
学年=国語力 ではない
読書指数診断®の結果からも明らかになったのは、お子さまの学年と国語力が一致していないケースの多さです。
特に海外在住のお子さまは、実年齢よりも2〜3学年分程度、国語力が低いという結果が出ることもあります。
これは決してお子さまの能力の問題ではなく、「触れている日本語の量と質が足りていない」ことが要因です。
まずは「見える化」から
「日本語で会話しているから大丈夫」「補習校に通っているから安心」――
そう思っていても、実際には語彙が足りず、文章を深く理解する力が育っていないことは珍しくありません。
Sakura国語のワークショップでは、まずはお子さまの現在地を客観的に把握することが、日本語力を育てる第一歩だと考えています。
そのためのツールが、「読書指数診断®」です。
海外でも、確かな国語力を育てるために
お子さまの言葉の成長を止めないために。
読書指数診断®は、保護者の方とともに“これから”を考えるための出発点です。
お子さまの日本語力について少しでも気になることがあれば、まずは一度、診断を受けてみてください。